2018年10月。フランス・モンペリエ近郊のワイン農家で、1週間だけ働いたことがある。こちらが労働を行う代わりに、宿と食事を提供してもらえるWWOOF(ウーフ)を利用しての滞在。5人のお子さんがいらしゃるご夫妻の経営だ。
葡萄から作られるアルコールについて全く詳しくない僕はそこでの生活を通じて、ささやかながら、ワインというものを體(からだ)で体感することが出来た。

そんな現在のワインの世界的な各産地は、2050年にはその生産には適さない気候になってしまうという。原因は地球温暖化。今年7月には、パリで45.9℃を記録したことが記憶に新しい。
そして今日、新しくワインの産地として注目されている国の一つが中国。
O.I.V.(国際ぶどう・ぶどう酒機構)のデータによれば、2017年の国別ワイン生産量で中国は7位。中でも注目なのが、寧夏(Níngxià / ねいか)。北京から西へ約900km。中国北西部、甘粛省(かんしゅくしょう)と内モンゴル自治区に挟まれた民族自治区である。ここは、かつては砂漠が広がり、産業は無かった。
中国政府は、法律で高品質なワイン生産を保護奨励している。現在のところ、それが適用されているのは中国全土の中でも、その寧夏のワインのみ。今年ワインの販売を開始したあるワイナリーは、タンクや樽などの設備費、日本円にしておよそ6億円を、政府の支援によって賄ったそうだ。
標高1000m以上と寒さが厳しい寧夏。地球温暖化の影響により平均気温が上昇したことで、今や葡萄の栽培に適した環境となった。ワイナリーの数はこの先数年で、200にものぼるという。数多くの中国産のワインが、日本の店頭で目にする日はかなり近いだろうか。
了
◆補足情報
「【写真特集】中国ワインは砂漠から世界へ」Newsweek日本版
https://www.newsweekjapan.jp/picture_power/2019/…/post-7.php
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